◇祖国光復50年記念式典に◇
「遠い他国から世界の中の韓民族として誇りと自負心を持ち、熱心に生きてこられたあなたの労苦と業績に深い感謝の意を表します。ソウル特別市では、光復五〇周年記念事業の一つとして、海外各地において、祖国の名を輝かしたあなたを招待する行事を設けました。我々は、この度の事業を通じ、我々韓民族の正当性と優秀性を広く確認し、祖国の統一のための民族の大和合をもたらすすばらしい機会になることを確信します。何卒お忙しいことと思いますが、この度の慶祝行事の意味と趣旨を理解されご参加下さりこの行事をすばらしいものにして頂ければうれしく思います。 一九九五年六月一九日ソウル特別市市長 趙 淳」 光復初の民選ソウル市長から届いた招待状は、光栄極まりないもので、恐縮もしたし有難いものだとも思った。五〇周年という区切りの年に、祖国から光復節式典の招待を受けたのは初めてのことで、意義深く誉れであった。 ソウル市が記したメッセージは格調が高い。我々の光復の意味は「幸福」に結びつく内容を含んでいるので、紹介しておきたい。未来のために。人類のために。 「光復五〇周年の意義と再照明」 民族解放の大きな感激がうすれる間もなく、民族は南北に分断され、その分断の悲劇は、しばらくして同族相殺の戦争をひきおこすまでにもなりました。そして長い窮乏と独裁の苦痛の中で生きてきました。それにもかかわらず、その試練の半世紀をふりかえってみることで、自由と民主の発展を重ね、より幸福な社会を指向する経済成長と文化調達をなしてきたのも事実であります。 我々はまだしなければならないことが沢山あります。今日の誇り高い韓国を創造してきたという感懐をそのまま新しい世紀につないでゆく力として転換することによって、光復五〇周年の意味は、そのいつの時代よりも深いものであります。 過去半世紀の現代史を確認し、これからの歴史を指向するこの重大な時期にあたる韓半島最大の光復五〇周年の祝祭は、これから実現するであろうもう一つの最大の祝祭である祖国統一の意志まで、実践的に含んでいるものであります。 我々は、韓国現代史の出発になる光復の本当の意味を成立するために日帝植民地治下の恥辱をあますことなく表出させることによって、その暗黒の歴史を確証させるのです。同時に民族の英雄的な意志によってきずかれた国権回復運動の精神を高め、その光り輝く精神によって民族の正当性を確認するのです。まさにこのようなことが我々の生の指標になり、子孫万代にまで引き継がれていくようにしなければなりません。 我々は、我々が生きてきた今日の民族的状況を冷静に把握するために、過去半世紀にわたる出来事とさまざまな現実を精緻に究明するようにしなければなりません。また多くの悪条件にもかかわらず、自由と民主主義を実現し、成長と発展をきずいてきた我々の力量も再照明しなければなりません。 いま、我々は二十一世紀の入口で新しい世紀的展望が緊要なことを悟り、昨日と今日だけでなく明日の幸福を追求するために、正義と道徳に基づいた新しい価値観を形成し、我々民族の普遍的な念願である統一を成しとげられる意志を一層強化しなければなりません。 それだけでなく国際社会の激変に対応し、世界の中で前進する韓国及び韓国人の位相を示さなければなりません。それによって我々が生きる韓半島が、その名の通り美しい山や川のすばらしさであふれる平和と繁栄に調和させるようにしなければなりません。 我々のこのような趣旨が光復五〇周年記念事業≠通じて立派に表されるようにし、その成果を築いていくことによって、光復一世紀≠ノいたるまで偉大な祝福に到達することが出来るでしょう。 |