◇いよいよオープン◇

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いよいよ待ちに待った光州ビエンナーレがオープンする。私は在日全南道民会(全羅南道出身者の郷友会)光州ビエンナーレ祝賀団一行一〇〇余名と、九月一八日光州入りした。もちろん妻同伴である。郷土を同じくする親しい先輩や友人、そして日本のお友達も誘いあわせての訪問団である。
 白羊寺観光ホテルでの組織委主催歓迎会で初めてこのツアーに辛容祥韓国民団中央本部団長が参席されていることを知った。公務多忙の中、我々とともに光州ビエンナーレを祝賀してくださること、在日同胞代表としてご出席くださったのだという認識でとてもありがたいことで感謝にたえない。
 五月、私は、道民会主催の在日韓国新聞協会の記者会見、そして是永幹夫わらび座国際部長のご尽力で、国際交流寄金の支援を得て、日本新聞美術記者クラブ記者会見などを企画して、来日された組織委の皆さんとともに光州ビエンナーレをPRした成果が実ったものと喜んだ。
 一九日、朝早く組織委から電話があった。MBC(文化放送)の取材に応じてほしいとのこと。木浦に南宋画の大家の南農美術館があるが、南宋画についての解説を外国より見えたアーティストにしてほしいというのである。光州ビエンナーレ特別展の一つに「文人画と東洋精神」がある。コミッショナーの依頼で、日本から富岡鉄斎・東山魁夷・畠中光亨・鈴木恒世の出品要請のお手伝をしたことから、日本の文人画との流れ、南農の作品との結びつきを語り、思いがけず外国の作家との交流ができたのは幸いである。
 急ぎ光州ビエンナーレ開幕前夜祭の会場錦南路に向かう。全羅南道庁前には特設スタジオが設置され、生放送で前夜祭の模様が全国中継されていた。一帯は蟻の入る隙間もない。十万人の人の海。ビエンナーレ参加国旗行進、熱気球飛行、光山コッサウムノリ、農楽隊、密陽百姓ノリ、伝統マダンノリ行列などが続いた。夜空には花火の饗宴、地にはキリノリが延々と続き、光と熱と喜びの歓声にうずまった。「世界の中の芸郷」が美しく新たに生まれ変わりデビューしたのだ。